社員・パートの皆さん、ご家族の皆さんへ ~今月の給与メッセージ~
当社の決算月は1月末ですが、世間の企業で一番多いと言われる決算月は3月末です。
例年、当社も期末の駆け込み需要が多くなる月でもあります。しかし昨年の3月はコロナの影響か、例年には無い売上低迷(約27%)となりました。それでも、外部環境に左右されないように取り組んできた、多岐に渡る業種への製品展開のおかげで、どこかの業種からはご注文を頂けて、大きな低迷も招かずに22年間事業を継続する事が出来ました。
リーマンショックの時も大きな売上の低迷に見舞われなかったのは、いかなる時でも“全業種が一斉に不景気になる事は無い”を物語っていると思えます。
そのような中、今年の3月に限っては、あらゆる業種の中でも特に「ダンカーゴ」と「パーテーション」の需要が突出して伸びました。そして今月は、単月の売上が前期年商の30%に迫る勢いです。まさにこれまでの“あらゆる業種に対応する姿勢”が導いた結果と言えます。
中でも大きな受注となったのがコロナ関連で採用されたパーテーションでしたが、本製品を受注するにあたり担当していたT君は最初、他社製(樹脂製)を勧めていました。話をくれたX社さんが、樹脂製のパーテーションを得意としていたからです。注文を無理に取りに行かない姿勢は時として“商売っ気が無い”と受け取られる事もありますが“他社と同じものは作らない”を信念としているからです。樹脂製と競合しても価格競争にしかなりません。
しかしエンドユーザーが強度を求めた事からアルミフレームを用いて電光石火で試作し、自社ならではの連結方法で提案を行った事が受注を引き寄せました。今回の特需は決して“棚からぼた餅”的な事ではありません。
アルミフレームメーカーとして常に在庫というリスクを抱えながら、あらゆるニーズに応え続けた事で培ったノウハウが、今回のパーテーションには盛り込んでありますから。
また、この特需を材料以外の全て、協力企業様にお願いして社内で加工や組立てを行わないように動いてくれたHさんにも感謝です。1件の大口に対応が偏れば、これまで当社のアルミフレームをご使用いただいたお客様にご迷惑がかかります。
1品づくりが今の当社の基礎になっていますから、金額の大小で対応に優劣を付けるべきではありません。また“1社で頑張るのではなく他と協業しながら1歩ずつ確実に企業規模を大きくしていく”というビジョンの共有も出来ていると感じます。
社内は自社オリジナル商品のダンカーゴの製作に集中し、製造リーダーのOさんからの要請に、私も含めた事務所メンバーが総出で製造に入り、難局を乗り越えた事は、未来に希望の持てる大きな節目になったと思います。
今期、統括部長となったT君が、人材の募集検討をしているようです。これまで採用は私の仕事でしたが、会社全体の物事を見る役割を担っている自覚の表れかと思います。
この特需を単発で終わらせるのではなく、今期からは、自分たちの行ってきた愚直な取組が実る事に自信をもって、ヒットメーカーとなれるように独自の提案力を伸ばしていきたいと思います。
当社の誰もがそのきっかけを作れるチャンスを持っているのですからー。
創業者である父なら今回の事を何と言うでしょう?“慢心せず次の夢に投資せよ”と言うでしょうか。でも、まずは「やったよ!」と報告する事にします。
株式会社エーディエフ 代表取締役 島本 敏
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