当社のマーケティングについて考えてみた
当社の決算は1月末なのですが今期を振り返ってみると、期首からコロナ騒動が起きはじめ、とうとう今期(22期)はコロナ一色で終わりそうです。クリーンルームを手掛けていることから受注増と思われがちですが、当社のクリーンルームは半導体や液晶業界などの投資分野向けです。
そのためもろにコロナの影響を受けて投資控えが起きています。しかし売上は大きく落ちていない。
なぜか? 物流関係の受注が大きく伸びているからです。
一言に物流関係と申しましてもその範囲は広く、食品業界・医療業界・運送業界・倉庫業界などがあげられます。では、それら多方面から受注を頂けるのはなぜか?
この年末年始は、自社の強みについて毎日のように考えておりました。
思い起こせば当社は創業から、少なくとも15年間ほどは「アルフレーム」というメイン商材の白黒カタログに掲載された製作例だけで、経営を成り立たせていたように思います。
お客様のニーズ(困りごと)に耳を傾け続けて、それを具現化した製品をカタログに掲載し続けました。具体的な製作例は次のお客様を呼び、次の課題を与えてくれます。
メーカーとして立ち上げた当社は、仕入れて売る商品が無く、売れる物を自分たちで生み出さなければなりませんでした。自社が選んだ道とは故、地道な道のりでした。ゼロから利益に繋げるには製作例を増やしていき、それをひたすら紹介していく術しか、知りませんでした。しかしそれこそが当社なりのマーケティングであったと思います。
愚直に取り組んでおりましたが、オーダー対応の一品づくりだけでは思うように年商は上がっていきませんでした。しかし、ある展示会でアルフレームを知っていただいた方からのニーズで、今や当社のメイン商材の一つである「ダンカーゴ」を開発するきっかけをいただくことが出来ました。
この時も「ダンカーゴ」専用のカタログを作り、実績事例を写真で見せることで、次のニーズに繋げていきました。さらに別のお客様からヒントもらい、クリーンルーム業界にも参入します。
そこからは本格的に展示会戦略を行い、クリーンルームや物流ボックスの現物展示をしながらカタログを配りまくることで、様々な市場を創造していきました。
ここ3年は自社のホームページが充実してきたことで、より広い範囲の方々に製作例を見ていただける手段を得ました。今期はコロナによって、ますます注目度に拍車がかかったWEBの力が発揮され、全国から問い合わせが来るようになっています。
多くの業種の方々に「あっ、こんなこともできるのか!」というヒントを与える製作例を見せるマーケティング手法ならば、全従業員が関われます。営業はもちろん、製造のメンバーでも社内改善の製作物ならば、他社にヒントを与えられます。事務メンバーも部材出しのお客さまに用途を聞いて、その製作物のお写真を頂くことができれば、カタログやホームページで紹介することも可能です。自社の強みを全員が関わって発信できます。
先日、それを裏付ける問い合わせが入りました。製造メンバーが社内改善で製作した「グラインダー用集塵機カバー」をホームページに載せたところ、同じようなニーズを持った企業の方から「製作例と同じような物を作っていただけないか?!」という問い合わせが入ったのです。
企業の目的は外にあります。その接点を作るチャンスは、全従業員にあります。なぜなら当社内で製作物に関わって無い人は、一人もいないからです。
2年前に新卒入社してくれた社員さんが、ホームページで新たな取り組みをしてくれています。アルフレームを用いた製品の製作秘話や、フレームを使用して簡単に製作できる商品の作り方などについて紹介する“コラム”です。
実際に起こった出来事をコラムにしているこのお話は、実は1年近くも前から温めていたそうで、満を持してホームページにUPしてくれました。このような見せ方も、新たなマーケティング手法として、今後、面白い展開を見せてくれそうです。
コロナ禍においても、売上は大きく落ちていない。
それは、お客様のニーズ(困りごと)から生まれた製品にひたすら向き合って、
ひたすら形にして、ひたすら発信し続けたから。そして、今年も来年も10年後も、
業種を問わず新しいものづくりに挑戦し、一歩ずつ着実に製作例を増やし続けることで、
当社のホームページが軸となる大きなコミュニティができれば素敵だなぁと思っています。
そんな壮大なマーケティングを考えながら、新しい年を迎えます。
~おまけ~
ところで、私事ではありますが、本日をもって42歳を迎えました。後厄でございます。
厄年は自分に対する災いよりも、親しい周りの方々に不幸が起きる・・・
とも言われています。昨年が本厄でコロナが来てしまいました・・・
今年も年始からきな臭いので、後厄で周りにご迷惑がかからないように地元の門戸厄神で、しっかりとお祓いをして参ります。ですから皆様、ご安心ください。
もう大丈夫です!(←なにがやねん。)
本年も、よろしくお願い申し上げます。
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